ひと月を振り返って

令和5年10月31日

10月を振り返って

すっかり寒さを感じるようになり、雨の季節到来かと思いきや、青空が続いたりと、季節のせめぎ合いを感じます。また国際社会の様々な緊迫情勢もあり、バンクーバーでも関連したデモや集会が発生しています。今までのところ、当地ではさほど重大な混乱はないようですが、常にご自身の安全を第一にお過ごしください。胸の痛む事態の早期終息を祈念します。
 
○日本産品の紹介
 日本とカナダとの経済関係の強化は、益々重要であり、多様な日本産品のカナダへの紹介は、その一環として非常に大切です。10月は、日本から新潟県の鈴木・燕市長、仲野・山形県酒造組合会長がお越しになり、それぞれの産品やバンクーバーでのプロモーション活動について貴重なお話を伺う機会がありました。400年の伝統を誇る燕三条地域の金属加工製品のことは、日本の教科書などにも記述があり、少しは承知しているつもりでしたが、火事の多い江戸で需要の多かった「和釘」製造が産業の始まりであったこと、あのノーベル賞晩餐会の卓上で、燕三条産のカトラリーがずっと使われ続けていることなどは、初めて伺いました。また、日本酒については、すでに海外での認知が進み人気を博している一方で、特にカナダ市場への今後の強い期待感と共に、海外輸出に関わる様々なご苦労について伺いました。いずれも事業の多角化や海外輸出を視野に入れ、後継者育成等についても新しい取り組みがなされていることが印象的でした。当館としても、地方政府との関係、広報等での支援を続けます。
 
○日系社会
 バーナビーの日系ホームでは、入居者の方々が色々な活動をなさっており、書道の練習にも取り組まれています。10月は、ホームからお招きを受け、シニアの方々と一緒に書を楽しむ機会を持ちました。HPの「日々の活動」もご覧頂きたいのですが、私が大きな紙に書くデモンストレーションを行い、また参加者の方々には練習の成果を色紙に清書して記念にしていただきました。もちろん私はお教えするような立場ではなく、長い人生経験を重ねられたシニアの方々の書に多くのことを教えていただきました。
 
○日加関係
 10月も引き続き、連邦議会関係者との懇談として、Yuen Pau Woo上院議員、Ken Hardie下院議員、John Aldag下院議員とお会いしました。現下の国際情勢への憂慮、特にイスラエルに対するハマスによるテロ行為にカナダの方が巻き込まれたことには痛切な思いを共有し、他の国際情勢や日加関係等についても意見交換を行いました。 
 
○文化交流
 10月初旬、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)の新渡戸記念庭園内一望庵で裏千家淡交会バンクーバー協会60周年記念お茶会が開催され、お招き頂きました。大変不作法な私ですが、貴重な書や茶道具を拝見しつつ、一服のお茶を頂戴し、日本文化の豊かさや日加の文化交流等、様々なことに思いが至りました。UBCにはその翌週もお邪魔し、植物園を拝観する機会がありました。広大な敷地で豊かな植物が育成され、アジア風のガーデンもあり、日本とのサイズの違いには、改めてため息が出る思いでした。
 
*追伸
 私がHP等で掲載しています「CGのShow(書)Room」の書作品を当館領事待合室に展示することといたしました。またHPやFBなどへのご案内もしておりますので、拙いものですが、お立ち寄りの際は是非ご覧下さい。