ひと月を振り返って

令和5年6月30日

6月を振り返って

 日本で梅雨のニュースが聞かれる中、バンクーバーのさわやかさがとてもありがたく、多くの人々が外に繰り出し、太陽の下で過ごそうとする気持ちがよく分かります。ただ深刻な山火事のエリアには、梅雨の重い雨雲を届けたい気分です。くれぐれも自然災害にはご注意の上、素晴らしい季節をお元気にお過ごし下さい。

○練習艦隊寄港
 6月の大きな行事として、海上自衛隊練習艦隊のビクトリア寄港がありました。令和5年度の遠洋練習航海として、約560名の自衛官が乗船した練習艦「かしま」と「はたかぜ」とがエスカイモルトに入港し、艦上レセプションや艦内見学の他、音楽・スポーツ交流、カナダ側軍関係者や州・市関係者との懇談、戦没者慰霊碑への献花等、様々な日程に臨みました。一行は、5月末に日本を出発し、アメリカのダッチハーバーで補給を行った後、最初の正式な寄港地としてビクトリアに来航しました。ビクトリアの次はメキシコに寄港し、ペルー、チリ、アルゼンチン等を経て、10月後半の横須賀帰還まで5ヶ月余りの練習航海が続きます。航海の安全と各寄港地での素晴らしい交流を祈念します。

○各市長との懇談
 6月は、バーナビー、ウィスラー、リッチモンドの各市長とお目にかかる機会を持ちました。いずれも日本との深い交流関係を持ち、今後益々の交流拡充が期待される各市長から、貴重なお話をうかがいました。釧路市の姉妹都市であるバーナビー市では、ボランティア活動で貢献のあった市民への表彰に「釧路カップ」という釧路市から贈られたトロフィーを使って顕彰しているそうです。ウィスラーは軽井沢町との姉妹都市交流の中で、観光都市としての広報政策を重視する立場から、相互間で様々なノウハウが交換されていると伺いました。和歌山市を訪問したばかりのリッチモンド市長と市議会議員の皆さんからは、非常に有益であった訪日の成果を伺いながら、更なる交流の拡充について意見を交わすことができました。

○日系コミュニティー
 スティーブストンで、「日系カナダ人の強制収容生存者の再会の集い」が開催され、私もお招き頂きました。日系人の方々の苦難の歴史とカナダ社会への貢献の努力について、更に認識を深める機会となりました。リッチモンド市長や地元選出の連邦議会議員、市議会議員等も沢山出席され、地域社会と日系コミュニティーとの今日の素晴らしい関係も実感しました。会場中央に大きく掲げられた「お陰様で」という日本語の言葉が、とても印象に残りました。

○学生たちとの交流
 6月も若い世代と接する機会がありました。バンクーバー日本語学校卒業式に出席し、日本とカナダ、カナダと世界との架け橋になっていく若い人々の姿にさわやかな感動をもらいました。また、第1次世界大戦当時の日系カナダ人兵士の残した手紙や記録等、1次的な歴史資料の解読・整理というプロジェクトに取り組んだDavid Thompson Secondary Schoolでの成果発表会に招かれ、高校生たちの発表を聞き、先生方を含め、学生の皆さんと懇談することができました。