ご挨拶
令和6年11月8日

着任御挨拶
カナダには仕事や観光で何度か訪れていますが、印象に残っているのは、10年ほど前にバンクーバーから50キロほど離れたナナイモで海洋系の国際会議が開催され、参加した時のことです。ちょうど今と同じ季節で、街中の木々が赤や黄に色づき、港の方に目をやれば、沢山のヨットが浮かんでいて、会議室にこもって仕事をしつつも、外の世界が羨ましかったことを覚えています。
当館の管轄する地域はブリティッシュ・コロンビア州とユーコンで、その広さは日本の面積の4倍近くにもなります。大自然と長い時を経て醸成された文化があり、近代建築が並ぶバンクーバーにおいても、そういったエッセンスを感じることができます。街の中に先住民アートを見かけることも多く、街歩きしながらも自然を感じ文化に触れ、豊かな気分になることができます。
ここバンクーバーは、太平洋の向こう側に日本があり、距離こそ離れていますが、その間に遮るものはなく、日本人にとって、心理的にも親近感を覚えられる場所なのではないでしょうか。何世代も前から日本からの移住の歴史がありますし、現在も、バンクーバーだけでも3万人近い在留邦人の皆様が生活されており、ワーキング・ホリデーなどを利用して、自分の力を試されている方や英語を学ばれている方が多くいらっしゃいます。また、経済面においても、ブリティッシュ・コロンビア州の日本向けの輸出の割合はカナダの他の州と比較しても最も高く、日本の経済を支える木材、エネルギー、農水産物などが日本に向けて輸出されており、これも日本との結びつきの強さを示すものと言えるでしょう。
当館としても、日本とカナダを結ぶ玄関口に所在する在カナダの在外公館の一つとして、在留邦人の方々へのサービスを充実させるとともに、当地における日系企業の支援、文化活動などを通して、両国民の相互理解を促進し、更なる緊密化に努めてまいりたいと思います。