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大規模自然災害に備えて

 

—はじめに−


ブリティッシュ・コロンビア州の海岸地帯は地震多発地帯です。とりわけ米国と接するBC州南西部は、ファン・デ・フーカ(the Juan de Fuca)プレートと北米大陸プレートという二つのプレートがぶつかる地震帯の上にあり、いつ大規模地震が起きても不思議ではないといわれています。BC州では年間1,200件以上の(体に感じられないものも含めた)地震が発生しているほか、これまでにも、1872年に北カスケード地域でマグニチュード7.4の地震が、また、1949年にクイーン・シャーロット島でマグニチュード8.1の地震が記録されており、その他太平洋沿岸でマグニチュード7以上の地震が何度か発生しています。


また、当地では地震以外にも、洪水や山火事(これら二つは、BC州やユーコン準州で頻繁に発生)、米国ワシントン州内の火山の噴火(57人の犠牲者を出した1980年のセント・ヘレン山の噴火などが近年の例)、津波等による災害が発生することも考えられます。


そこで、このような地震等の災害に備え、普段から気をつけていただきたいことを、British Columbia Ministry of Public Safety and Solicitor Generalやカナダ連邦政府等が作成した資料を参考に、次のとおりまとめてみました。


1.カナダにおける非常事態への対応体制


カナダでは、災害等の非常事態への対応は、第一義的には、災害の起こった地域が責任を持って行うことになっています。しかし、災害の規模によっては、当該地域だけでは対応困難となり、要員・車両・物資等が不足するとともに十分な救援活動が出来ない事態も起こり得ます。その場合は、郡・州・連邦の各政府(行政機関)へと段階的に援助を要請していくことになります。


大災害が発生した場合は、市→郡→州→連邦と出動要請が行き、必要な救援活動が開始されるまでに、少なくとも72時間(3日間)必要とされています。それまでの間は、各自で対処しなくてはならない場合もありえます。


2.普段からの備え


(1) 非常用物資等の備蓄


上記1.で説明したような状況を念頭において、災害が発生した時のために普段から必要なものを準備しておくことが大変重要です。具体的には、次のような物資を、自宅及び職場の手の届く場所に用意しておきましょう。

  • 食料、飲料水(最低72時間の生存に必要な量)

水は、12リットル(24時間で4リットルと想定)を準備しましょう。備蓄する食糧は、クラッカー、ドライフルーツなどの非常食に加え、調理済みのもの(缶詰など)が便利です。また、缶詰などは缶切りが不要のものが便利です。保存に耐え、栄養価の高いものを備えておきましょう。また、乳幼児や食事療法を行う必要のある方には、その点も考慮した備蓄(粉ミルクなど)が必要です。

  • 寝袋、タオル、毛布
  • ナップサック(家族等各自の分を準備)
  • 医薬品(first aid kit)。常備薬をお忘れなく!
  • 乾電池式のラジオ
  • 懐中電灯
  • シェルター・ターブ(防水シート)、小型テント、スペースブランケット、大きめのゴミ袋など雨水をしのぎ、暖をとるのに適したもの。
  • 水浄化用のタブレット
  • トイレットペーパー、石鹸、歯磨き、歯ブラシ
  • クラスABC(ラベルに表示)の消化器。テストした上で、手近な場所に保管
  • ガスを止めるためのレンチ
  • 靴。地震発生時などは割れたガラスの上を歩くこともありますので、手近な場所に保管
  • その他、あれば便利なもの:作業用手袋・厚手の衣類、防水マッチ・ろうそく、簡易トイレ、ロープ、粘着テープ、工具、ガソリン発電機、延長コード、気を紛らわせるもの(ゲーム、トランプ、本、子供用ぬいぐるみ)

以上の非常用物資については、Canadian Red Cross(1-888-307-7997, http://www.redcross.ca )や専門店、大型薬局、大型生活用品店などでもEmergency Supply Kit乃至はReady Kitとして買い求めることができます。
また、自宅、職場、自家用車など各々個別の場所に非常用物資を準備することをお勧めします。


(2) 予め決めておくこと、知っておくこと、やっておくこと


(イ) 決めておくこと
○家から安全に退避する方法・道筋
○家族同士の集合場所
○近所や遠くの連絡先(子供を迎える人やペットを預かってくれる人含む)


(ロ) 知っておくこと
○消化器、水及びガスの元栓、ブレイカーボックス、排水口などの位置
○家族全員の緊急時の連絡先、電話番号
○家族全員の健康状態のインフォメーション
○居住場所及び職場、それら周辺の危険な場所及び安全な場所。浸水の危険がある場所や発火しやすい場所なども調べておく


(ハ) やっておくこと
○いざ、というときのため、水、ガス、電気を消す習慣を、子供を含む家族全員で徹底しておく。
○ガスの元栓を閉めるレンチを、元栓のそばのパイプなどにテープで貼り付けておく。
○ウォーター・ヒーター、給湯器など揺れ動いてガスや水のパイプを壊してしまいそうなものは、動かないものにくくりつけておく。
○本棚や家具等は、容易に倒れないよう固定しておく。また、特に重いものは安定しているか確認し、棚などの場合重いものを極力下に置く。
○ベッドや椅子は、窓側や、照明器具及び重いものがかかっているそばに置かない。
○小型家電の下には滑り止めを取り付け、食器棚には割れ物が滑り出ないよう戸が閉まるラッチやチャイルドプルーフの留め具をつける。
○発火しやすいものや家庭用ケミカルは火元から遠ざけ、倒れてもこぼれないように保存。また、山間部に家がある場合、山火事に備え、周囲半径10~20mの間で枯れ葉など引火性物質の除去、壁やガラスを耐火性のものに変えることなども検討する
○集合住宅に住んでいる人は、マネージャーやボードの人たちと安全対策を協議しておく。また、建築家や危機管理の専門家からアドバイスを受けておく
○住宅保険、火災保険、傷害保険など、加入している保険のカバー範囲をチェックしておく
○応急手当、人命救助等について、赤十字等が実施する講習に参加し、救急方法などを習得しておく。


3.災害が発生したら


(1) 各種災害に共通する留意点


○気持ちを落ち着ける。
パニックにならないよう、気持ちを落ち着けてください。地震の場合は、地震の揺れから生じる直接的な被害よりも、避難しようとして、割れたガラスの破片等を踏んでけがをする等、二次的な被害にあうことが多いので、慌てないことが肝要です。
不幸にもけがをした場合は、止血等の応急処置をする必要があります。大災害が起こった場合には、911通報をしても救急車がすぐに駆けつけてくるとは限りませんので、普段より応急手当の方法を習得しておくことが望ましいといえます。
○ガス、水道の元栓を締め、電気を停止しましょう。
災害の種類にもよりますが、地震の場合は、被害の拡大を最小限に抑えるために、ガス、水道の元栓を直ちにとめ、電気を停止させることが重要です。大地震の場合、水道管がどこかで破損し、汚染された水が流れ込んでいる可能性があるので、水道からの水をそのまま飲まないよう注意する必要があります。また、給湯器の中の水は貴重な飲料水となりますので、汚染された水が入らないようにして下さい。
○災害の状況を把握してください。
CKNWラジオ(980kHz)、ニュース1130ラジオ(1130kHz)、CBCラジオ(周波数については、BC州の周波数(http://www.cbc.ca/frequency/pdf/BritishColumbia_RFs.pdf )及びユーコン準州(http://www.cbc.ca/frequency/pdf/YukonTerritory_RFs.pdf )の周波数をそれぞれチェック)などで災害情報が流れますので、これらを参考にして下さい。


(2)  個別の主要災害に対する留意点


(イ) 地震
屋内にいたら:
○むやみに外に出ない(ガラス等落下物が降ってきます)
○テーブルや机など丈夫な家具の下にもぐるか、身を低くして壁のそばによる
○窓や重いものが乗った棚から離れる
○頭や体をカバーする
○エレベーターは使用しない
○ガスや揮発性の可燃物が漏れている可能性があれば、マッチや電気を使用しない
屋外にいたら:
○建物の中に入らず、できるだけ開けた場所に移動する
○人混みや切れた電線を避ける
○海岸付近にいたら津波の恐れがあるので、内陸部や高いところへ避難する
○土砂崩れや洪水に備え、崖や河川の近くから離れる
クルマに乗っていたら:
○なるべく道路の端によってクルマを止めて、中にとどまる
○橋やオーバーパス、アンダーパス、ビルの側での停車はなるべく避ける
○カーラジオが聴けるなら、緊急放送の指示に従う
○バスの中では席から立たず、立っていたらうずくまって頭をかばう

 地震後、水道が使える場合には自宅の浴槽に水を張ること、ラジオを継続して聞くこと、自分が無事なら、他の人を助けることなども忘れないようにしてください。

(ロ) 洪水
屋内にいたら:
○あらかじめ排水路の整備に努めておく
○あらかじめ電気製品、重要書類などを2階に引き上げる
○排水ポンプを常備する
○ガスの元栓を閉める
○電気やプロパン器具を保護する
○水が迫っていたら電気を消さない。
○常にラジオをつけておく
屋外にいたら:
○農薬や殺虫剤などが水に混ざらないよう撤去する
○サンドバックなどで家を守る
○当局から避難命令が出たらすぐに従う。家に戻るのも当局の指示に従う

 

(ハ)山火事
屋外にいたら:
○野焼きやゴミの焼却処理については、当局の指示によく従う。
○タバコは完全に消えたのを見届ける。特にクルマ等からの投げ捨ては絶対に避け、車内に備え付けて灰皿ケースか、持ち歩き可能な灰皿パースを使用する。
○当局の禁止の指示が出ている場所では、キャンプ・ファイアーは絶対に行わない。また、禁止されていない場合でも、発火地点を石で囲み隔離するとか、消火用の水を準備し、終了時には完全消火を見届ける。
○屋外用ストーブなど発電・発火装置の使用やクルマの排気が引火の原因とならないよう周囲をきちんと確かめる。
○BC州政府は、Fire Smart Manualを発行し(http://www.pep.bc.ca/hazard_preparedness/Wildfire_Information.html )、山間部に自宅を所有する人のために自宅周辺半径100m以内の枯れ葉や雑草、雑木の処理、火に強い素材による住宅の建設などについて資料を作成しているので、その内容を確認しておく。

山火事の発生を認知したら:
○911乃至は1-800-663-5555(*5555 toll free)に通報し、①自分の電話番号、②発生位置と発火対象物、③火の規模と拡大速度、煙の色、④危険に晒されている人または物があるか、を報告する。
○当局から避難命令が出たらすぐに従う。家に戻るのも当局の指示に従う。

 

(3) 「全米・カナダ邦人安否確認システム」の活用


災害にあった際、電話がつながるようであれば、必要なときのみかけることとし、安否確認の伝言メッセージを家族等に残したいときは、「全米・カナダ邦人安否確認システム」(http://www.vancouver.ca.emb-japan.go.jp/jp/consular_j/safety_info/eiss_j.htm )をご活用下さい。

 

4.災害対策お役立ちリンク


日頃より、カナダにおける災害対策情報を広く収集しておきましょう。


(1)http://www.pep.bc.ca/index.html 
BC州公共安全省(Ministry of Public Safety and Solicitor General)の策定するBC州緊急事態計画(Provincial Emergency Program)に関する情報です。地震、洪水、山火事、津波などあらゆる災害に関する情報が載っています。

 

(2)http://www.community.gov.yk.ca/emo/index.html 
ユーコン準州の緊急事態対策に関する情報です。

 

(3)http://www.community.gov.yk.ca/firemanagement/index.html 
ユーコン準州の山火事及び対策情報のページです。

 

(4)http://wcatwc.arh.noaa.gov/
北米西海岸及びアラスカの津波情報に関するページです。


(5)http://getprepared.ca/index_e.asp 
カナダ連邦政府(公共安全省)の緊急事態対策に関するページです。

 

(6)http://www.redcross.ca/article.asp?id=000005&tid=003 
カナダ赤十字のページ。Emergency Supply Kit等に関する情報も載っています。

 

 

 

 

 
 
 
(C) Consulate General of Japan at Vancouver, 900-1177 West Hastings Street, Vancouver, BC V6E 2K9 Tel: (604) 684-5868. ページ更新日2009年8月12日