カナダにおける新型インフルエンザの現況について
2009年10月1日、カナダ連邦政府は各国大使館関係者を招いた説明会の席で、カナダにおける新型インフルエンザの現況について以下の情報を発表しております。ご参照下さい。
1.カナダにおける感染状況
(1)78人が死亡(9月24日現在)
(2)1,459人が入院し、288人が集中治療室に入室(9月12日現在)
2.新型インフルエンザの特徴
(1)100年に2~3回の周期で発生し、毎回2~3回の流行の波(2ヶ月程度)がある。季節性インフルエンザと異なり人類に免疫がほとんどないため、感染が広がりやすい。致死率は0.4%程度とされている。
(2)主要な症状は、咳と発熱、これに加え、疲労、筋肉痛、のどの痛み、頭痛、食欲減退、鼻水が伴うことも多い。吐き気、嘔吐、下痢を伴う場合もある。
(3)妊娠、5歳未満(特に2歳未満)の幼児、基礎疾患(糖尿病、心疾患、腎機能障害、肝機能障害、肥満、喘息等)を有する人は、感染した場合に重症化するリスクが高い。
(4)感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染と、ウィルスが付着した物の表面に触れた手で目や口に触れることによる接触感染がある。
3.新型インフルエンザ感染の予防と発症時の対応
(1)感染を予防するためには、こまめに手を洗い、人混みを避けること、咳やくしゃみをしている者が他人への感染を防ぐためにマスクを着用するのは良いが、健康な者がマスクを着用することは勧めない。
(2)新型インフルエンザのような症状があるが、他に基礎疾患のない者は、症状が回復してから24時間経過するまでの間、自宅で待機すること。
(3)新型インフルエンザのような症状があり、かつ、妊婦であるかまたは基礎疾患のある人は、かかりつけの医師に相談すること。
(4)重篤な症状(息切れ、胸の痛み等)がある人は、直ちに病院へ行くこと。
4.新型インフルエンザ・ワクチンについて
(1)カナダにおいては、5,500万回分の抗ウィルス治療薬(タミフル、リレンザ)を備蓄しており、いつでも利用可能。
(2)2009年11月以降、新型インフルエンザ・ワクチン接種が可能になる。カナダにおいては、合計で5,040万回分のワクチンを注文しており、カナダの人口が3,360万人であることを考慮すれば、希望者は全員ワクチン接種を受けることができる。ただし、ワクチンは第1週目に1,400万回分、第2週目以降に毎週350万回分ずつが供給されるので、初期には、優先度の高い者から接種を行うことになる。
(3)ワクチンの接種を受けることは、義務ではない。
カナダで生活をされている皆様には、下記ページも参考になるかと思われます。
http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/h1n1/surveillance-eng.php
また、毎夏、アメリカからカナダに北上してくる蚊を媒介とした感染症としてウェストナイル・ウィルスというものがあります。通常はBC州南部のオカナガン地方等で感染者が発生するケースが見られ、こちらも注意が必要です。下記ページもご参照下さい。
日本側情報:http://www.anzen.mofa.go.jp/info/info.asp?num=2009C244 (ウェストナイル・ウィルス熱の概要が載っています)
カナダ側情報:http://www.phac-aspc.gc.ca/wnv-vwn/mon-hmnsurv-eng.php (今年カナダではすでに7名の感染者が発生しています。)
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