山火事の発生と注意点
1.乾燥した気候が続き、時に例年以上の高温さえも記録するBC州ですが、今年は内陸部を中心に山火事が多発しており、すでに5千人の人々が自宅から一時避難し、85,000ヘクタールを焼失するという事態になっています(ここ10年間の平均焼失率は約81,000ヘクタール)。幸い、在留邦人の皆さんに大きな被害が出ているという報告はありませんが、ケローナを中心とするオカナガン地方、リルエットやメリット、ウィスラー周辺の山間部などBC州南部山間部や、フォート・セントジェームスやプリンス・ジョージ北方の山岳地帯など広範囲で山火事が発生しており、件数は2300件を越えています。
今後とも山火事発生の動向についてはBC州の発表(http://bcwildfire.ca/MediaRoom/ )、ローカルの新聞・テレビ・ラジオ等で十分フォローいただく必要があります。仮に山間部に住んでいなくとも、ロッキーなどBC州内陸部への旅行中に山火事に遭遇する危険性も排除されません。また、山火事の拡大状況及び危険率については、下記のウェブ・ページをご参照下さい。
(BC州における山火事拡大状況)
http://webmaps.gov.bc.ca/imf5/imf.jsp?site=pub_fireinfo
(発生危険率の分布)
http://bcwildfire.ca/Weather/Maps/danger_rating.htm
2.BC州では、春から夏の季節を中心に、毎年約2000件の山火事が発生しているとされています。更に重要なことは、山火事の約50%が人災であり、残り約50%が落雷によるものである、ということです。
とりわけ人災については、山間部を訪ねる旅行者のタバコの不始末、キャンプ・ファイアーの消し忘れのほか、ストーブなど発火・発電装置の使用、特定の種類のクルマの排気、春の野焼きやゴミの焼却処理などの不始末も山火事の原因として指摘されています。現在、BC州の多くのキャンプ場では、キャンプ・ファイアーの禁止・制限などの措置がとられています。(http://bcwildfire.ca/hprScripts/WildfireNews/Bans.asp)
そして悪質なのは放火魔の発生です。火の不始末、放火等による山火事の拡大は、罰金刑及び禁固刑の対象となることを忘れてはなりません。
人災の場合、ちょっとした不注意から火が広がり始める点には改めて注意が必要です。とりわけ、一旦起こった山火事は森林密集地域では1時間当たり5.5km、木が点在する地域であっても1時間当たり2kmの速さで拡大すると言われています。
3.山火事の発生に備え、日頃から報道を注意深く確認することは言うまでもありません。しかし、自ら防げること、山火事被害を最小限に抑えるためにできることについても最後にまとめておきたいと思います。
屋外における防火のための留意点:
○野焼きやゴミの焼却処理については、当局の指示によく従う。
○タバコは完全に消えたのを見届ける。特にクルマ等からの投げ捨ては絶対に避け、車内に備え付けて灰皿ケースか、持ち歩き可能な灰皿パースを使用する。
○当局の禁止の指示が出ている場所では、キャンプ・ファイアーは絶対に行わない。また、禁止されていない場合でも、発火地点を石で囲み隔離するとか、消火用の水を準備し、終了時には完全消火を見届ける。
○屋外用ストーブなど発電・発火装置の使用やクルマの排気が引火の原因とならないよう周囲をきちんと確かめる。
○BC州政府は、Fire Smart Manualを発行し(http://www.pep.bc.ca/hazard_preparedness/Wildfire_Information.html )、山間部に自宅を所有する人のために自宅周辺半径100m以内の枯れ葉や雑草、雑木の処理、火に強い素材による住宅の建設などについて資料を作成しているので、その内容を確認しておく。
山火事の発生を認知したら:
○911乃至は1-800-663-5555(*5555 toll free)に通報し、①自分の電話番号、②発生位置と発火対象物、③火の規模と拡大速度、煙の色、④危険に晒されている人または物があるか、を報告する。
○当局から避難命令が出たらすぐに従う。家に戻るのも当局の指示に従う。
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