|
長距離バス内での事件・事故の発生(2008年10月13日)
カナダが日本列島の26倍もある広大な国であることはいうまでもありません。この広大な土地を横断する手段として、航空機よりも値段が安く、鉄道よりも移動に時間のかからない地元長距離バスを利用される方も多くいらっしゃると思います。 バスは手軽な交通手段ではありますが、危険が伴うことも少なくありません。去る7月30日には、マニトバ州ウィニペッグを走行中のバスの中で、中年の男が見知らぬ隣客の若い男性をめった刺しにした挙げ句頭部を切断するという衝撃的な事件も発生しました。そして下記のとおり、今年9月には日本人が巻き込まれる事件も起こっています。
1.バスが突然炎上!
9月半ば過ぎ、カルガリーからバンクーバーに向かう長距離バスがロッキーに差し掛かる道路上で、突如油臭い煙に包まれました。運転手の機転で乗客が外に避難した瞬間バスは炎上。脱出した乗客の中に三人連れの日本人旅行客がいましたが、車内に取り残された所持品のスーツケース3個が、ようやく駆けつけた消防隊の放水で内部まで水浸しになってしまいました。 別のバスでバンクーバーに到着し、総領事館に来たその旅行客の皆さんより話をうかがったところ、海外旅行傷害保険には加入していたものの、手荷物までは保険をかけていなかったとのことです。また、水浸しになった荷物の補償はどうなるか気になる一方、運転手から連絡先こそ聞かれたものの、荷物のクレームタグやバス会社の連絡先は渡してもらえなかったとのことでした。 当館として、それら皆さんの要請受けバス会社に電話連絡をとったところ、いろいろ部署を回されはしましたが、ようやく会社のクレームセンターに辿り着き、Canadian Pacific Railwayのバンクーバー駅の傍にそのバス会社の補償申告カウンターがあることを教えてもらいました。当館より皆さんをカウンターにお連れし、何とか荷物ダメージの申告を終えることができました。
同じく9月の後半、オンタリオ州ホワイト・リバー付近を走行中の長距離バスの中で、日本人の留学生がいきなり見知らぬ男性から胸部を切りつけられ、病院に搬送されるという事件が発生しました。 幸い留学生の傷は比較的浅く、また、切りつけた男も駆けつけた警察官により逮捕されました。 その留学生は、応急処置を受け退院した後、大学に戻り日本語を話せるカウンセラーのカウンセリングを受けたとのことです。
以上のとおり、日本人を巻き込む事件が立て続けに2件も発生したことは、長距離バスの乗車が決して安全ではないことを物語っています。また、いずれのケースも命に別状がなかったことは、何よりも幸いでした。(実は2年前にも米国ニューヨークからモントリオールに向かう長距離バスが横転し、日本人学生2名が怪我を負う事件も発生しています。) 長距離バスは航空機とことなり荷物検査などはなく、バス会社としても安全対策に頭を悩ませているとのことです。また、バス車輌自体の安全も大きな課題でしょう。 このような現状で私たちにできることは、(1)海外旅行傷害保険はなるべく広めにかけること、(2)周囲のお客さんにどんな人がいるか気を配ること、(3)異常を察知した場合には速やかに車内を立ち去ること、(4)事故の際の補償が問題となる場合を想定し、運転手等よりコンタクト・ポイントや電話番号を聞き出すこと、の4点でしょう。 皆様が長距離バスを安全に利用し、カナダ旅行を通じて見識を広げられますことを願ってやみません。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(C) Consulate General of Japan in Vancouver, 900-1177 West Hastings Street, Vancouver, BC V6E 2K9 Tel: (604) 684-5868. ページ更新日2008年10月14日 | ||||