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最近のBC州における犯罪発生状況と防犯対策

 

2004年4月
在バンクーバー日本国総領事館

 

. 当地新聞の調査によると、過去2年間に自分の家族が何らかの犯罪(暴行、家屋侵入、自動車の盗難等)に遭遇したと回答したBC州の住民は全体の32%で、特にバンクーバーなどの都市部では、42%にも上るという結果が出ていると報告されております。
 快適な生活環境とは裏腹に、当地における犯罪発生率は決して低くありません。当館が入手した情報を以下のとおりお知らせ致します。これらの情報が、当地を訪れる邦人の皆様の当地での滞在生活を快適にするために、少しでもお役に立てれば幸いです。
1.バンクーバー市

バンクーバー市では、人口比率で換算すると、東京都の約5倍の比率で犯罪が発生しています。これら犯罪の中で窃盗が半分以上を占めます。日本人にとって特に注意すべき犯罪は、置き引き、車上ねらいなどの窃盗です。また、カナダ銀行協会の統計によれば、バンクーバーにおける銀行強盗発生件数は、国内一であり、トロントにおける発生件数の2倍を上回っています。


昨年、ダウンタウン東地区に北米で初めてSafe Injection Siteが薬物対策として公設されました。連邦政府保健省、BC州保険計画省、市の3政府レベルのもと講じられたこの政策は、予防、治療、取締り、被害削減を骨子として3年間の試験的に運用される予定ですが、麻薬中毒患者の支援事業に陥る可能性もあり、更なる麻薬中毒患者の増加や新たな薬物問題を招くことも懸念されます。少量のマリファナ所持については、刑法裁判を簡素化するために罰金制度を導入しようという動きがあるだけであり、これら薬物の所持使用は違法です。


女性に対する暴行と詐欺(まがい行為)についても注意を要します。日系慈善団体等からの情報によると、ホームステイ先や家主との契約上のトラブルや、面識の浅いカナダ人乃至外国人から借金をもちかけられ、お金を貸したが返済してもらえない等の詐欺事件に遭遇して相談を受ける事例が多いようです。昨年、邦人女性を標的としたカナダ人詐欺師が逮捕されましたが、同種被害は後を絶ちません。詐欺や契約上のトラブル等については、当地警察の捜査や民事裁判には時間を要するもが実情ですので、日頃から十分に注意し、そのような被害に巻き込まれないようにすることが重要です。

 

<窃盗>


旅行者や短期滞在者を狙った車上ねらいと置き引きが多発しています。 外出に当たっては、現金所持は最低限とし、クレジット・カードを利用する、旅券は必要のない限り携行せず、旅券の写しで代用する、極力複数で出歩く、外部に対する不注意のもととなるのでヘッド・フォンをしないなどの注意を心がけて下さい。「我が身は自分で守る」を常に念頭において、不特定多数の人が集まる空港、駅、ホテル・ロビー、レストラン、ショッピングセンターなどでは特に身の回りに気をつけて下さい。これらの場所では貴重品を身から離さないようにし、見知らぬ人物から話し掛けられたときは、その人品のいかんにかかわらず注意しましょう。また、自動車をとめるときは人目のある駐車場を選び、車内に何も残さないことなどの注意が望まれます。


バンクーバー市内のダウンタウン、住宅街などで、女性を狙ったひったくり事件が頻発しております。また、通勤ラッシュ時のバス内において乗客のポケットや鞄の中身を狙うスリ事件が発生しています。


静かな住宅街を歩くときや、銀行・ATMからお金を引き出した直後などは、強盗に狙われる可能性が最も高いので、周囲の状況によく注意するとともに単独での行動はできる限り避けるようにしましょう。

 

<詐欺>


レンタカーを借りる際に金額未記入の伝票にサインしてしまいその後多額の請求書が送られてくるケース、語学学校に直接に連絡することなく学校斡旋業者の広告のみを信じて日本で授業料を支払い斡旋業者が雲隠れしてしまうケース、移民手続き代行の広告を見て日本で料金を支払い事務が進められていないケースなどが発生しています。


図書館等の公共施設やカフェー等、ファーストフード店で、現地事情に慣れていない日本人女性を標的とした被害が連続して数件発生しており、今後、日本人女性を標的とする詐欺が増加していくことも考えられます。バンクーバー市における詐欺発生比率は、人口比率で東京都の約7倍もあります。一方的に信じ込まず、十分に警戒して常識を働かせ、毅然とした態度で対応することが必要です。


デビット・カードによる詐欺まがい事件が相次いで報道されています。前述のような事件は他人事とは考えず、デビット・カードによる支払いの場合には、店員や近くの人物の視線に注意し、暗証番号を知られないよう注意する、また、ATMの利用に当たっては、極力、銀行などの金融機関の中に設置されているATMを利用するようにしましょう。


最近、留学サポート・エイジェンシーと両替所が共謀する詐欺という新しい種の事件も発生しています。個人的な両替所は、銀行業務を営業することはできません。業者に預金を勧められても違法行為となることを念頭に置いて、知らない人にお金を預けることのないようにしましょう。

 

<女性に対する暴行>


夜間の一人歩きを避けること、来訪者があるときは相手方が誰であるかを確認した上でドアを開けること、見知らぬ人との会話で住所などをみだりに教えないこと等普段から認識していることを的確に行うよう注意しましょう。


また、ホームステイ先でホスト・ファーザーに性的嫌がらせや暴行を受けた例も報告されています。日本の女性は被害を表沙汰にしようとしない傾向があるので狙いやすいとのパーセプションがあるという報道もありました。警察は、アジア系女性に対して一般的な注意を呼びかけています。性的暴行や強姦等事件が発生してから被害を訴えても、被害は回復しないばかりか、滞在中に捜査及び裁判が完了することは時間的に困難ですので、これら被害に遭わないように努めることが賢明です。

 

<イースト・ダウンタウン地区>


バンクーバー市のイースト・ダウンタウン地区(特にメイン通りとヘイスティングズ通りの交差点周辺地区)は5,000人以上いると言われている薬物常習者や浮浪者が昼間からたむろしており、治安と風紀の悪い場所として知られています。また、Safe Injection Siteの運用開始に伴い、麻薬中毒者が薬物の影響により新たな犯罪を起こす危険性もありますので、特別の用事がない限り、立ち入らないようにしましょう。

<ホームステイ先とのトラブル>


ホームステイ先のホスト・ファミリーとの人間関係が悪化して暴力を振るわれたり、滞在の契約を途中で解約しようとしたところ、預けていたお金を返金してもらえなかったりした等の被害が多数出ております。ホームステイ先については、信用できる人を介して探すことや、途中解約に関する条項を含む契約書を作成しておくなどの注意が必要です。不幸にして暴力事件等が生じてしまった場合には、速やかに警察に届け、事件のケース・番号、対応した警察官の氏名や連絡先を控えておく必要があります。また、ホスト・ファミリーといえども他人であることを忘れずに、常識ある行動を心掛けることも大切でしょう。

 

2.バンクーバー市周辺の都市

 車の盗難、車上荒らしが多数発生しております。サーレー市とバーナビー市は、北米地域においても、人口比率で、自動車に関連した窃盗犯罪発生率が極めて高いという統計があります(特に、サーレー市は、カナダ全体の中でも、人口比率で最も自動車盗難被害の多い都市です)。コクイットラム市やポート・コクイットラム市でも自動車の盗難が発生しています。また、ポート・コクイットラムでは、カー・ジャッキング(自動車強盗)の発生も報告されています。自動車を駐車するときには、特に夜間は人目につかない場所をできるだけ避け、車内に何も残さないことなどの注意が望まれます。また、防犯システムが設置されていない車は、ハンドル・ロック等を使用することも一案です。

 

 バーナビー市で中国人女性留学生が殺害される事件が発生した他、サーレー市でも女性に対する暴行事件やハンドバッグのひったくり事件が報告されています。人通りの少ない通りや、夜間の女性の一人歩きを避けるなどの注意が望まれます。

 

 リッチモンド市では、夜間に公道で自動車レースが行われ、死亡者が出ています。運転にあたっては、事故にまき込まれないよう注意して下さい。

3.ヴィクトリア市とその周辺

<窃盗>


ヴィクトリア市でも空き巣、置き引き、自動車盗難事件が多発しています。空港、駅、ホテル・ロビー、レストラン、ショッピングセンターなど、人が集まるところでは、貴重品を身の回りから離さないこと、見知らぬ人から話しかけられた時には特に注意するようにしましょう。

 

また、話しをしている間に、別の者が持ち物を盗む被害も出ています。警察によれば、泥棒が住居に侵入する場合には、裏通りや隣家から目につかないような裏口から侵入することが多いので、裏口のドアの戸締まりには特に気をつける必要があります。


また、最近では車上荒らしが多発しているようです。自動車を止めるときには人目のある駐車場を選び、車内に何も残さないことなどの注意が必要です。

 

<暴行>


ヴィクトリア市内の図書館、コーヒー店、本屋などの若者が集まる場所で、邦人女性に声をかけ、英語を教えるといって自宅に連れて行き暴行するなどの被害が出ていると報じられています。親しくない人に声をかられた場合には、不用意について行かない、また、必要に応じて友人にも同席してもらうなどの注意が望まれます。


エスカイモルト市では、不良少年グループによる傷害事件が多発しております。現在までのところ、邦人がこれら少年犯罪の被害に巻き込まれたケースはありませんが、時間帯により危険な場所もありますので注意する必要があります。


夜間営業しているストアで、カナダ女性の店員が暴漢に強姦され、金品を盗られたという事件も発生しています。夜間の女性の一人歩きは避けることが賢明です。

 

<詐欺>


ガソリン・スタンド従業員によるカード偽造事件が報じられています。警察当局は、支払いに関しては、デビット・カードではなく、クレジット・カードの使用を勧めています。


インターネットによる車両売買詐欺が報じられています。市場とかけ離れた金額での売買等うまい話には注意しましょう。当地の警察当局は特にナイジェリアからのアクセスには気を付けるよう注意を促しています。


<その他>


ヴィクトリアでは麻薬患者が増えてきており、1,500~2,000人の患者がいると推定されています。関係当局もこの問題への取り組みを強化しています。邦人が麻薬患者と思われる者から暴力を受ける事件も発生していますので、麻薬関連の犯罪に巻き込まれないように十分注意下さい。


スークやサーニッチ半島周辺、アップランド・パーク周辺で、クーガーが頻繁に目撃されています。山、自然公園付近では、子供やペットから目を離さないよう注意して下さい。複数で連れ立って歩いたり、話をしたり、声を出したり、音を立てていると、クーガーは近寄らないようです。

 

4.カムループス市とその周辺

 カムループス市でも、空き巣、強盗事件等が発生しております。人気の少ない場所や夜間の外出の際には注意が必要です。また、自動車強盗も増加していますので、駐車場所等に注意して下さい。

 

 カムループス市周辺の5号線(Highway 5)では、自動車事故が多発しております。特に、雨天、急カーブ、舗装道路から砂利道に変わる場所など、道路状況の悪い場所での事故が多発していますので、安全運転を心がけて下さい。冬季には、降雪のため、道路状況が急に悪化することもありますので、事前の準備が必要です。また、カムループス周辺に限定されることではありませんが、長距離を高速で運転している際に、カーブを曲がりきれずに横転し、後部座席でシート・ベルトをしていなかった人が亡くなるという事故も少なくありません。シート・ベルトは必ずするようにして下さい。

 

 カムループスにおいても麻薬やマリファナの常習者増加が社会問題になっていることが報告されています。麻薬患者が麻薬調達のための資金欲しさに強盗に及ぶ例も報告されていますので、注意が必要です。

 

 市の周辺では、熊やクーガーの出没が報じられています。自然公園付近では、二人以上連れだって歩く、又は話し声や音を出して歩くようにして下さい。また、ハンターの誤射による被害も報告されていますので、森林内を歩くときは、目立つ色彩の服を着用するなどの注意が望まれます。


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