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アジア地域における鳥インフルエンザの発生


1.アジア地域における鳥インフルエンザの発生

 

 2003年より2004年にかけて、韓国、ベトナム及び日本(山口県)において鳥類の感染症である鳥インフルエンザが発生し、ベトナムにおいては8名が鳥からヒトへの感染により死亡しています。タイにおいても2003年12月頃より鶏が大量死しており、2004年1月23日にタイ公衆衛生省よりWHOに対し、2例の、また、1月26日には更に1例の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)のヒト感染例が報告されました。感染者はスバンブリー県、カンチャナブリー県  及びスコータイ県であり、うち2名は死亡しました。


また、インドネシアでも、これまでのところヒトが感染したとの報告はありませんが、2003年8月以来鶏が大量死しており、1月25日にはインドネシア農業省により鳥インフルエンザ発生が確認されました。

 

 1月27日現在、WHOにより鳥インフルエンザ(H5N1)の感染が確認されている国は、韓国、日本、中国、ベトナム、タイ、カンボジアで、その他の国においても家禽類の大量死が確認されており、原因は現在調査中です。

 

2.鳥インフルエンザのヒトへの感染について

 

 鳥インフルエンザのヒトへの感染については、上記1.のように何例か見られますが、鳥インフルエンザに感染した鳥やその内臓、排泄物に接触することで感染する場合が多く、これまでのところ鶏肉や卵などを食べることによって感染したという報告はありません。また、ヒトからヒトへの感染は確認されていません。

 

 ヒトが感染した場合の症状は、発熱、咳などの一般的なインフルエンザと同じ症状から多臓器不全による重症なものまでありますが、鳥インフルエンザに対する有効なワクチンは現在のところ開発中の段階であり、また、現在使用されているヒトのインフルエンザワクチンは、ヒトの間で流行しているAソ連(H1N1)型、A香港(H3N2)型、及びB型に対して効果があるもので、H5などの鳥インフルエンザに対しては予防効果がありません。なお、A型インフルエンザの治療に使用される薬には症状を軽くするなどの効果があると言われています。

 

3.予防法

 

 現段階では、通常の旅行や生活の中で、鳥インフルエンザ・ウィルスに関する特別な予防を行う必要はありませんが、鳥インフルエンザは感染した鳥と近距離で接することによりヒトへの感染が起こる場合がありますので、安全を確保するために以下のことを念頭において行動するようおすすめします。

 

(1) 手洗い、うがいなど通常の感染症予防対策を励行すること。
(2) 鳥インフルエンザの流行が見られる地域の鶏舎の立ち寄りを避ける。
(3) 鳥インフルエンザの流行が見られる地域において、生きた鳥への接触、また、生きた鳥を扱う市場への不用意、無警戒な立ち寄りを避けること。

 

 なお、インフルエンザ・ウィルスは加熱(75度で1分間)により死滅しますので、加熱調理した鶏肉や鶏卵を食べることによって感染することはありません。


 

 

   
 
(C) Consulate General of Japan in Vancouver, 900-1177 West Hastings Street, Vancouver, BC V6E 2K9 Tel: (604) 684-5868. ページ更新日2004年2月6日