岡田総領事からのメッセージ
みなさん,こんにちは。
4月に入って,バンクーバーの街の桜も満開です。
バンクーバー桜祭りも始まり,春の訪れを感じるこの頃です。
春の訪れを待って公邸の庭の一画に小さな畑を作り,ミズナ,ルッコラ,トマト,キュウリなどの野菜の種を撒きました。早速,ミズナの芽が出て元気に育っています。
先月3月11日は,東日本大震災の2周年でした。この未曾有の災害をきっかけとして始まったキズナ強化プロジェクトのもとで,3月1日から3月13日までウェスト・バンクーバー高校の生徒達が宮城県名取市閖上地区の被災地を訪れ,奥松島では民宿に宿泊して仮設住宅を訪れ,仙台の聖和学園の生徒達との交流を行いました。高校生達は日本への訪問に先立ち公邸を訪れ,私からの震災の様子,復興の現状などについての話に熱心に聞き入っていました。日本への訪問中には被災地の様子などをメールで報告をしてきました。被災地の現状を直接体験した彼らは,日本での体験をカナダの人々と共有すべくドキュメンタリーフィルムの制作を始めたり,募金活動を始めたりしています。
3月16日から26日には茨城県竜ヶ崎一高の生徒達がバンクーバーを訪れ,ウェスト・バンクーバー高校での交流をし,日本を訪れた生徒達の家でホームステイをしました。学校での交流では竜ヶ崎一高の生徒達からは震災の体験について発表し,ウェスト・バンクーバー校の生徒達は自分たちができる支援についてのアクションプランについて発表したそうです。ホームステイでは夕食後に家族で映画に行ったりと日本の家庭ではあまりしないことを経験したり,中東からの移民の家族の家では初めて中東料理を味わったりと移民の国カナダならではの体験をしたようです。
竜ヶ崎一高の生徒達がバンクーバーを立つ前に,両校の生徒達を招いて公邸でお別れ会をし,両校の生徒代表がそれぞれの日本での体験とカナダでの体験について発表をしました。両校とも短い滞在でしたが,お互いが日本でまたカナダで体験したことをしっかりとまとめたすばらしい発表でした。会の終わりには両校の生徒達がいっしょに「花は咲く」を合唱して,最後には別れを惜しむかのように抱き合い,涙し,とても感動的なお別れ会でした。
ここでも,日本とカナダを結ぶキズナの芽がしっかりと育っています。
2013年4月15日
在バンクーバー日本国総領事 岡田誠司
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